●塩の歴史
塩の概要
塩とは、食塩ともいい、塩化ナトリウムのことを言います。人にとっては、大切な 栄養素であり、料理などの味付けにも、欠かせないものの一つです。日本では、主に 海水から作られたようです。塩の起こり
縄文時代以前:米を作らなかった時代、塩分は、魚や、 動物の内臓を食べることにより、得ていたようです。時代経過
弥生時代初め:米を作るようになると、内臓や、貝類を食べなくなった為、
海の水と海藻を利用して、塩分を取り出す、「藻塩(もしお)」という方法が考え出されたようです。
【藻塩=海藻に、海水を含ませて、干すことを繰り返した後、海藻を海の水に入れて
洗い、塩を十分に取り出して、さらに、この濃い海の水を土器で、沸騰させ水分を取り除くと、
塩の結晶ができあがる。】
弥生時代:塩を利用した発酵食品、「ひしお」が、多く作られるようになったようです。
【こくびしお=穀物、米、麦、豆などを、発酵させたもの。 肉びしお=魚や鳥の肉を発酵させたもの。
草びしお=野菜や海藻を発酵させたもの。などがあったようです。】
奈良時代以降:塩は、食べ物に、不可欠なものとして、多く利用されるように
なったようです。
鎌倉時代:塩田に似たやり方、「塩浜(しおはま)」という、塩を
作る方法が考え出されたようです。
【塩浜=砂地の浜に海水がかかると、かたくなる。このかたい砂を、集めて、籠に入れ、海水で
こした水を沸騰させ、水分を取り除く方法ではないかと考えられます。】
室町時代:塩の必要性が、さらに拡大し、各地に、塩田(えんでん)が
作られるようになったようです。
【塩田=海の水を利用して、塩を取る方法で、砂浜の海岸の近くに、塩用のたんぼのような場所を作り、
その砂を利用して塩を作る方法。塩浜と同じようなやり方。塩田で作られる塩には、にがり成分の
ミネラル類が多く含まれます。】
参考文献:日本食生活史(渡辺実)
塩の種類
食塩(塩分濃度99%)。 並塩(塩分濃度95%、にがり有り)。 精製塩(塩分濃度99.5%)。主な栄養素
塩化ナトリウム。天然塩の微量なミネラル成分としては、マグネシウム、 カルシウム、カリウム、銅が含まれます。